経路依存性という悪習慣のことを、孫泰蔵さんは喝破している 集団心理に無縁になるのも百活への道

孫泰蔵さんの「オフィスと社員はもう要らない」というセンセーショナルなタイトルが付いた、日経B日P社出版局編集部のインタビュー記事を読みました。

編集部:400坪の広さがある「Mistletoeのオフィス(孫さんが支援するスタートアップ企業が集まる最先端のコワーキングスペースとしても知られている)が、

孫:ありますが、サッパリ消滅します。決めたのは今年の4月頃。(中略)オフィスの機能とは「仕事をする場所」でした。でも、ホワイトカラーの仕事に関して言えば、今や「仕事をする場所」は自宅やカフェ、どこでも可能になってきているわけです。会議もオンライン化が加速的に進んでいます。「そうは言っても、リアルなコミュニケーションには勝てないでしょ?」と疑う人は多いかもしれませんが、技術面の現実的な予測として、5年後にはリモートワークのストレスはほぼゼロになります。実際、目の網膜に直接映像を投影する技術の開発が進んでいて、360度の視界に映像の合成投影ができる環境はいずれ実現します。人間の目は5Kを超える映像は現実と区別できないと言われているので、「目の前で商談していると信じ切っていた相手が、実はジャカルタにいた」なんてことがざらになるでしょう。

編集部:オフィスがあるから、とりあえず集まった方が安心と思う人は多いかもしれませんね。

孫:それが「経路依存性」という悪なんです。人間の習性として、一度慣れ親しんだものを変えることに億劫になってしまう。ただ「今までやっていたから」というだけで、明日も同じ行動を取ろうとする。だからいくら技術的に可能な環境が整っても、相変わらず朝から出勤したりするんですよ。「なんで会社に来てるの。バカじゃないの?」と僕は怒るわけです。

面白いですね。孫さんは「習慣を変えるのは億劫」の罠だといいます。定年はまさに、明日から慣れ親しんだ経路が消滅するということです。それと群れる輪が消滅することの方が大きいとはいえ、習慣を変えさせられるのはリアルな落とし穴ですね。

ま、ぼくは通勤電車という非人道的な環境から逃れられることの方が嬉しかったのを覚えています。もう、10年弱になりますが。

この記事を書いた人

荒井 好一(Yoshikazu Arai)

荒井 好一(Yoshikazu Arai)

会社員38年・定年後フリーランス10年、好きな仕事で歩いてこれた。

45歳の春から東京単身赴任をスタートさせて、退職後もデュアルライフを楽しむ。異なる文化の街暮らしと移動空間で企画をするのが大好きで、2017年は実に新幹線乗車105回で仕事を楽しんだ。

スピーチのコーチ、法人代表、時々ビジネス書の著者、ブロガーに挑戦中。