詩人の吉井勇さんが「千光寺の御堂にのぼる石段は わが旅よりも長かりしかな」と詠んだごとく、坂の町尾道の面目躍如の強烈な石段でした。
旧国道2号線の道路脇に「千光寺道」の石碑があり、ここから石段がスタートする。6段をのぼると山陽本線の千光寺踏切がある。2本の線路をまたぐとすぐに石段が待っている。(信号機の写真の左上のあたりに御堂の屋根が垣間見える)
ほぼ直線の石段が延々と続く。途中で分かれる小道が枝分かれしている。有名な猫の細道もあるし、志賀直哉旧居にも至る。この千光寺南斜面に張り付くように建てられた大正10年建築の邸宅が、NPO法人尾道空き家再生プロジェクトにより修理されて、現在はゲストハウスなどに活用されている。
これが生活道路なのだ。頂上まで6・70段ごとに休まないととても登れない。雨の日も大風の日も猛暑の日も・・・。
470段で御堂の下までようやく青息吐息で辿り着く。
千手観音様が祀られている。お参りをして振り向けば眼下に尾道水道がたゆたゆと広がっている。